New
プラットフォーム「FAVORRIC」

FAVORRICは「アートと暮らす。」をテーマに、現在73名のアーティストとともに約1,300点以上の商品を展開しているプラットフォームです。(2025年8月末時点)
私はその中でマーケティングを担当しており、日々「アートをどうすればお客様に届けられるか」を考えています。今回、簡単ではございますがFAVORRICが取り組むマーケティングの工夫や、アート業界ならではの知識をご紹介させていただきます。
データドリブンな商品企画
アート作品の商品化は「感性」だけでなく「データ」に基づいた判断が欠かせません。
商品名やリリース時期は検索データから、どんな名称にして、いつ発売することで最も効率的に広く新しい商品を提案出来るかを考えています。
一方で、お客様からのレビューやSNS投稿からは“実際にどう感じたのか”や“どう使っいるのか”が見えてきます。こうした顧客インサイトは、新しいプロダクト企画や商品ページ改善に役立てています。
アートECならではの難しさと工夫

一般的なECと比べるとアートの作品販売には独特な課題もあります。
- 検索需要がニッチであること
「ブランケット」などの一般的に広く知られているものだけではなく、FAVORRICが取り扱うのは“アート×暮らし”という、まだ市場も限られたニッチな領域です。まだまだアートは贅沢品と考える方も多い世界で、ユーザーが自然に興味を持てるきっかけや物語性を持たせたコンテンツ作りが欠かせません。季節ごとの暮らしに役立つインテリア提案などを通して潜在層のニーズを引き出し、商品との接点を生み出しています。 - 作品のストーリーや世界観への共感を伝える必要性
アート作品は単に機能性や価格で選ばれれるのではなく、「作家の想い」や「世界観」への共感が購入につながります。そのため商品ページには必ずアーティスト紹介や作品のストーリーを伝える工夫をしています。 - 高額商品であること
クッションカバーやブランケットといった日用品と比較すると、アート作品自体は価格帯が高めです。また単なる機能性ではなく「作品の価値」や「アーティストの想い」に共感していただくことで、価格以上の魅力を感じていただく必要があります。
マーケティング施策の実例
FAVORRICが行っている具体的な施策をいくつかご紹介します。
- SEO対策
商品そのものの検索ニーズに応えるコンテンツ制作はもちろんのこと、直接的にはまだ商品に興味がない方にもアプローチしています。例えば美術館巡りが好きな方、アート初心者に向けた記事などを通じてFAVORRICのことを知り、商品に出会う流れを設計しています。 - SNS発信・インフルエンサー活用
Instagramを中心に単に商品画像を並べるのではなく、「暮らしのシーン」を切り取ることを意識して投稿しています。例えばブランケットを実際に使っている写真や、こだわりのインテリアの中にFAVORRICのクッションカバーが溶け込んでいるシーンなど、使っているイメージをしやすくなるよう心がけています。さらにインフルエンサーが日常で使っている様子をシェアすることで、ファンとの距離を縮める工夫をしています。 - 特集やキャンペーン
季節やイベントにあわせて「母の日に送るアート雑貨」や「夏のインテリア特集」などを展開。単にセールを行うのではなく、テーマに沿った世界観を作り、ユーザーが「自分に合うシーン」を想像できるように工夫しています。また、検索トレンドを分析し、需要の高まる時期やSNSでの話題性に合わせて特集を組むことで、商品をより魅力的に見せるよう工夫しています。



今後の展望
今後もさらに「感性」と「データ」の両面を強化していき、より多くの方にアートと暮らす喜びを感じて頂けるきっかけになれたらと思います。
- 顧客の購買データとアート嗜好を組み合わせ、よりパーソナライズされた商品提案へ
- アーティストの作品を世界へ広げる挑戦
- AI画像生成の技術発展にともなう「人が生み出すアート」をどう伝えていくかを模索
今回はマーケティング視点でのお話をさせていただきましたが、アートの価値は数字で測れるものだけではなく、日々の暮らしの中でふと心を豊かにしてくれる瞬間にあると思っています。
FAVORRICは、そうした小さな喜びを一人でも多くの方に届けられるよう挑戦を続けます。これからも、アートと暮らす楽しさをぜひ一緒に体験してください。