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こんにちは、プラットフォーム事業部の山本です。
「アートと暮らす。」をコンセプトにものづくりをしているFAVORRICにてプロダクトデザイナーをしております。
この回では、私が普段どんなことをしているかについて、お話をしたいなと思います。

FAVORRIC中の人、一体何をしているの?
FAVORRICってどんな人たちで運営されてますか?と聞かれることがあります。
FAVORRICというチームは、(いい意味で) 無機質、無性別、無個性なところがあるので、メンバーの人数をはじめ、特に大々的に役割を提示せずにものづくりをしてきました。(いい意味で/2回目)
【アーティストの作品が一番に輝いている状態を作ること。】【老若男女問わず、アートが好きな人に届けること。】
優先されるべきはこれらに尽きるからです。
だから私たち裏方は限りなく透明に近く、ミステリアスなぐらいが丁度良いんです。(いい意味で/3回目)
これからも皆さんには、FAVORRICという”サービス”として見ていただければと思いますが、実は想像以上に少数精鋭で構成されたチームであることだけは間違いないと言うことだけ、お伝えしておきます。
具体的にあなたのポジションは何?

とは言うものの、「じゃあ、肝心なデザインはどうしているの?」という疑問になるかと思います。
そうです、私がインハウスでデザイン周り・クリエイティブ周りを司っております。
普段は表向きにお話しする機会はあまりないので、ルーティンなどについても触れていきたいと思います。
私は、FAVORRICのほぼ立ち上がり時から関わってきたこともあり、FAVORRIC内のクリエイティブを多岐に渡り1人で捌いて来ました。オーセントという企業に所属しながらも、同ポジションの上司も後輩もおらず一人デザイナーの一人個人商店みたいなところがありました。
その内容たるもの、WEB周りのクリエイティブ、SNS含めたグラフィックワーク、商品のパターン、商品レイアウトデザイン、BtoBへの提案書に至るまで。
見えるもの/見えないもの、”デザイン”と付くものは…とにかく全てになります。
ここまではおそらく、他の企業デザイナーと似たような仕事内容です。
今では外部パートナーの協力を得つつ、多少手離れする作業もございますが、基本的に立ち上がりの5年前から役割としては何一つ変わっておりません。(流石にいい意味ではない)
FAVORRICにしかない独特なタスクと、何でも屋としての自覚
そして、ここからは一般の企業デザイナーとは決定的に違う仕事内容になります。
それは【アーティストのキュレーション】と【作品の選定】です。
これは他の企業デザイナーには無い特徴的な仕事かもしれません。
まず【アーティストのキュレーション】についてです。
私は日頃からギャラリーに足を運び、作品を見に行き、直接アーティストと話をし、どんな想いで作品制作に向き合っているかなどエピソードを伺います。
そこで初めて、ご自身の作品のテキスタイル化やものづくりへの関心度、更にFAVORRICへの興味なども合わせてヒアリングをします。
例えば、ギャラリー運営におけるキュレーションとは、次のグループ展はどういったアーティストで構成をし、インスタレーションをし、ボリューム感と余白のバランスを考えようか?集客するためのプロモーションはどうする?などになるかと思います。
FAVORRICの場合、最終的にお客さまが日常で使用する商品になりますので、その相性も含め判断していかなければなりません。
そして次に【作品の選定】になります。
そもそもFAVORRICは作品ありきのサービス。FAVORRICはアーティストの作品があってこそ成り立っています。
作品には性質があり、オリジナルの原画を商品にしたら化ける作品、またその逆も然りです。
単に美術的な立場としてのキュレーションではなく、商品との相性を見るための絶妙な感度。
これがいかに尖っているかどうか?が試されるのも、今の私のポジションとも言えます。
アパレルデザイナー経験が長かったことが、ここへ来て、漸く功を奏した形になりました。
一つの作品から商品展開を考える

アーティストがFAVORRICへの参加を決め、共に企画を進めていく段階となり、次にリード作品を選びます。
基本的には過去のアーカイブから人気がある作品、またアーティストの思い入れがある作品から選定していきます。
それとは別に、FAVORRICのために新たに描き下ろしをしていただくケースも近年では増えてきました。
あらかじめFAVORRIC商品の特徴を捉えていただき、それにマッチする作品を提供していただけること。
この仕事をしてきた中でも、とても貴重な体験であり、この上ない贅沢な瞬間でもあります。
アーティストに寄り添いインプット、作品を理解してアウトプット。
私の役割は、かなり近い位置で彼らを支える参謀みたいなところがあります。
腹を割ったコミュニケーション

そして次に、サンプルの制作。
ここでは、お互いが恐縮し妥協をし過ぎないことが重要なポイントとなります。
デザインレイアウト面、色味の出方、細かな表現の修正など。気になった時点で可能な限り意見を出し合い、納得がいくまでブラッシュアップをしていきます。商品化をする上で一度でも妥協をしてしまうと、アーティストにとっても私たちにとっても良い結果にはなりません。
すなわち、お客さまに良いと思ってもらえる商品の背景には、反復のコミュニケーションとドラマがあります。
お互いのベストな落とし所を見つけ、認識合わせをした上で初めて生産部隊にバトンタッチをします。
PCに張り付く毎日と息抜きのバランス

ここまでが、アーティストとの関わり〜商品サンプルUPまでにおける私の仕事内容となります。
このように他の企業デザイナーにはない、特殊な面もあります。
休日の過ごし方も、ほぼ仕事と境目のないデザイナーという職業は、”名もないデザイン作業”(俗に言う雑務)を含めると来る日も来る日もPCとお友だちになり過ぎなところがあります。
とにかく何でも屋の毎日なワケですが、なんだかんだこの仕事が性に合っているので棺桶に入るまでアートと向き合うんだろうなと覚悟を決めています。
息抜きのため毎日朝5kmほど走ってから始業をするようになってから、頭が冴えて体の巡りも良いので、どの職業も関係なく、朝活はオススメしたいなと思います。
最後に
エラい長いな?長編物語すぎるだろう?と思ったあなた。
限りなく透明でミステリアスを通す話、どこいった?と思ったあなた。
ご安心ください。もう終わります。
ほぼ手の内をOPENにしまったので、あとはそれぞれの想像のもとでFAVORRICの商品を楽しんでいただけたらと思います。
いち、インハウスデザイナーのトピックでした。
About FAVORRIC
【アートと暮らす。】
アーティストやクリエイターが 生み出すオリジナリティと選りすぐりの生地、染め、縫製、工芸の 高いクオリティの出会い。あなたが心から好きと思えるものと出会えるために、数々の“ここにしかない出会い”をご用意しています。
本当に好きなものと出会える自由を。 FAVORRIC