案件事例 Case1

コンサルティングサービス

クライアントに寄り添った業務プロセス改革支援

強みの源泉と守りのガバナンスの両立を実現

あらゆる企業において、他社との差別化を図り、市場の優位性を勝ち取るための「強みの源泉」を維持・強化することと、 事業拡大していく過程で様々なリスクと対峙することで求められる「ガバナンス」を構築することは、多くの場合トレードオフの関係にあり、企業の成長過程におけるジレンマの一因となっています。

リアル媒体での販促サービスを手掛ける国内エージェンシー様もまた、同様の悩みを持っていらっしゃいました。
「強みの源泉」であるスピード感や柔軟性を損なわず、上場企業水準の「ガバナンス」を構築し、現行の非効率業務を排除する。
その実現のために、ERP(Enterprise Resource Planning)のようなシステムの力を活用するし、会社全体の業務を変革することを会社として決断したのですが、システム導入の取組みはそう簡単な話ではありません。
スピード感や柔軟性を体現してきた個々に競争力のある営業メンバーと統制の観点から会社を守っていくことを強く思うバックオフィスメンバー各々の思いが、システム導入を機に真っ向からぶつかります。
日々の業務で限られた人的リソースが逼迫しており、会社として事業を成長させながらどうガバナンスと向き合っていくのか踏み込んだ話が従来できておらず、改めて真剣に議論することになりました。
この取組みに対し、客観的な目線をまじえながら、会社としての解へ導くために、業務改革のグランドデザイン策定から、その後の施策実行におけるまで、プロジェクト全体管理や検討ファシリテーター、タスク実行支援をオーセントが担わせていただくこととなりました。

現場視点を発射台としたボトムアップ型アプローチ

通常、全社レベルの業務改革を行う場合には、「従来と異なる視点」に立った課題解決が必要となるためトップダウン型のアプローチで全社改革を行うケースも多くあります。
一方、当クライアントでは、営業の現場から叩き上げで醸成された「強みの源泉」であるスピード感や柔軟性を失わないことを念頭においていたため、現場視点の考えを一層大切にすることが、改革達成のためのキーファクターと考えました。
そこで、全国の営業キーマンたちへのヒアリングにより、「強みの源泉」、「ガバナンス」に対する意識や考えを集めた上で取り組むべき課題の特定をすることから始めました。

その結果、営業メンバー・バックオフィスメンバーが同じビジョンを持てるようにするための「グランドデザイン(=目指すべき姿)」を策定し、社内共有することに成功しました。
加えて、ボトムアップ型のアプローチは副次的な効果も生みました。
プロジェクト立ち上げ時期にヒアリングを通じての対話を広くしたことで各部門の改革への意識や気づきが生じ、フロントオフィスとバックオフィスが協力して、全体最適を目指す空気感が漂いました。
トップダウン型のアプローチを採用していたら起こり得なかった現象ではないかと思います。

クライアントに寄り添った業務プロセス改革支援

システム選定のための徹底した要件出し

本クライアントは、これまで「業務システム」を導入した経験がほとんどありませんでした。
そのため、システム導入を前提とした業務の標準化がなされることもなく、“属人化業務”が多数存在していました。
こうした場合、顕在化していない課題も多く、具体的な対応方法も見えていないことが多くあります。
そこで、グランドデザインを起点としながら、業務のパターン化や業務機能ごとの具体要件をクライアントとの対話を通じて洗い出し、その抽出過程で、新たな課題と対応を方向付けることで、後の手戻りの最小化を目指しました。

結果として、システム開発会社向けに提示した要件のボリュームはかなりのものになりましたが、そのタイミングで詳細な業務要件を検討したことで、クライアントのITリテラシーやシステムに対する理解が格段に高まりました。

本質的な業務プロセス改革の取組み

多くの課題とそれらに対する具体要件を整理していたため、システム導入の検討開始はスムーズであったといえますが、当然のことながら、日々進んでいく検討の過程で新たな発展的課題や要望は出てきます。ただ、クライアントと我々は、課題や新論点が出てくるたびに、共にそれらに向き合い、目的に立ち返り、真摯に議論することを繰り返しています。
この繰り返しが、業務改革・改善の本質的な取組みなのだと常々実感しながら、クライアントと共に業務プロセス改革を進めています。

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